新緑のお寺
鷹峯に行くと常照寺というお寺があります。
源光庵などの蔭に隠れて注目されないイメージがありますが、いわゆるお寺の庭園らしい整然とととのった雰囲気ではなく、もっと大らかな、少し不思議な感じがして大好きです。
どこでもドアのようなかわいらしい扉をくぐって入ってみると、ちょっとした山の雑木林のような情景が急に広がってびっくりします。
紅葉の時期に行ってもここだけは緑がいっぱいで、運がよかったらなぜか季節はずれの山あじさいに出会えたりします。
広沢の池を越えて、山越中町の坂をあがっていって、仁和寺も金閣寺も通り過ぎてひたすらまっすぐまっすぐ自転車をこぎ続けるとこの鷹峯に出るのですが、途中のルートがやや大変でめげそうになります。
でも、いったん着くと、美しくぴしっと整えられた光悦垣で有名な、光悦寺ではなく、悟りの窓が素晴らしい源光庵でもなく、どこでもドアの先にいきなり開ける、この不思議な雑木林にたまらなく会いたくなって、ついこのお寺に行ってしまいます…。