「雨と山鉾」                                                                                      COROMICO

 

　初めて一人で祇園祭に行った時、とてもびっくりしました。

ちょうど台風の時期と重なって、山鉾巡行の日には大雨の予報だったの

ですが、各鉾町の方たちがみんなやる気満々で、「大雨なんかへっちゃらだ」とか「今まで何度でも大雨でも決行したことがある」とおっしゃっていた

からです…。

聞くと、朝の5時半に世話役の方が町内を回って開催をお知らせされて

いたとか……。

　「台風とかそういう厄を祓うためにやるんやから休むわけにいかん」と

おっしゃっている方もいました。

　山鉾というものにかけるみなさんの熱い気持ちをかいま見たような気が

して、今まで何となくしか見ていなかった山鉾を見る目が変わり始めました…。

 

　そんな特別な時でなくても、7月に四条界隈を歩くと、小さなお子さんを

だっこした若いお父さんが世話役の方にご挨拶されていたり、鉾立てや

祇園囃子の練習の姿に、普段の時には見られない、鉾町の方の一人一人が笑い合ったり、お互いに励まし合ってがんばる様子がかいま見られて、何だか少しうれしくなります。

 

　毎年行くと思わぬところで、また違った、何気ない光景に巡り会えたり

するので、人混みが苦手でも、つい行ってしまうのかもしれません…。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　26.Luglio.