L'orario del blu': 青の時間
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「青の時間」 COROMICO
小さい時から、青という色が大好きで、小学校の頃の夢は、青の風景ばかりを
集めた写真集を作ることでした…。
夜明けの前の時間が一番くらいとよく言われますが、実は、太陽がのぼる直前の
空は、はなやかに、次々と現れる色とりどりの色彩で彩られています。
漆黒のような、艶のある黒に閉ざされた暗い時間の後に、とつぜん、東の空に
はなやかなばら色の現れる、赤の時間…。
空が一面、ウルトラマリンかロイヤルブルーのような濃い青にそまる、青の時間。
水色のようなうすいブルーに、ピンクやグレーやオレンジの様々な色彩が
入り交じる、水色の時間…。
黄昏かと見まごうような、金色の時間、そして再び空が一面、ばら色に染まる、
第2の赤の時間がやってきます。
せっかく美しい空を見たいと思っていたのに、くもりの日だといい朝やけや夕やけは見られないんじゃないかな、とがっかりしそうになりますが、あきらめずに空を
見上げてみれば、やや雲がかかった日の方が、美しい青の時間に巡り会えることがあります。
その深い青の色あいは、とても神秘的で、思わず時間を忘れて引き込まれて
しまいます。
悲しいことがあって気分が落ち込んでいたり、つらいことを言われて心が
いがいがしているような時でも、その不思議な青の世界に身を浸していると、心配はいつの間にかきえていって、気がつけば穏やかで自然な、いつもの自分に
もどっていることもあります。
そんな特別な時間でなくても、野山を歩いてみれば、色とりどりの青の色合いに
出会えて、こころがおどります。
遠くまでつらなってゆく山並みの淡い青のグラデーション、青空を映した水面の、
きえそうに切ないような淡い水色、朝露に濡れる露草の目のさめるような
みずみずしい青、かすんで見えなくなりそうな彼方の風景の、影のように、うすく
青みがかったおぼろな情景……。
青という色は、夢や幻想や追憶の世界にもつながっているのかもしれません…。